なぜ介護業界は人手不足なのか

 

テレビなどのマスメディアを通じて、介護業界の慢性的な人手不足が取り上げられています。人材紹介サービス会社によるアンケートでは、職員の数が不足していると回答した介護スタッフは97.5%という結果が出ており、ほとんどの施設で人手が足りない実情がよく分かります。また、人手不足をどのような時に感じるかという質問に対して、一人当たりの仕事量の多さと答えた人が約半数近くを占めており、次いで予定外の残業が多い、日数より多く働いているという回答が続いています。つまり、介護の現場では人手が少なくて、スタッフが疲弊しているということです。

では、なぜ介護業界は慢性的な人で不足なのでしょうか?人材が不足する原因として多くの人は、賃金の低さを挙げています。仕事がハードな割には報われない職場環境が離職率の高さや定着率の低さに繋がっているようです。さらに、介護の仕事はいろいろな面で配慮が必要とされ、心理的にストレスを抱えているものの、忙しくて相談できる相手がいないなどの問題もあるようです。

そして、それらの問題に対して介護現場ではどのような取り組みが行われているかという質問には、約40%近い事業所が特に何も対策を取っていないという回答結果でした。ただし、約60%はコミュニケーションの円滑化を図ったり、資格取得やスキルアップのサポートの実施、メンタルヘルスケアを行うなど、積極的に行い、職場環境の改善に取り組んでいるようです。今後、さらに高齢者人口が増加していく中で、給与などの待遇面の改善をはじめ、スタッフが安心して働ける環境を作ることは欠かせません。各事業所でも少しずつですが、人手不足の事実に目を向けた環境づくりに注目が集まっているので、今後の業界の動向から目が離せません。